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柏市大津ケ丘中央公園のHSF測定と除染について
「環境とエネルギー・柏の会」さんの依頼で10月15日に柏市大津ケ丘中央公園の放射線量をHSF(ホットスポットファインダー)で測定しました。結果は「柏の会」さんより柏市放射線対策室に連絡、11月5日に立会で数値の確認が行われ、その後除染作業の結果についてご連絡をいただきました。
今回「柏の会」さんよりデーターの公開について快諾していただきましたので概略をお知らせします。

HSFによる柏市大津ケ丘中央公園の放射線量マップ
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公園内についてはで概ね0.1μSv/h(50cmで最高0.16μSv/h)前後の範囲でしたが、周辺歩道の堆積土、歩道植栽など数カ所で濃縮が生じているマイクロスポットが確認されました。
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以下に上記該当箇所の大用例について詳細を示します。
①公園西側通路付近の堆積土
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②公園南西側通路の堆積土
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③公園東側歩道植栽
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いずれも地表付近は0.9~1.1μSv/h 高さ50cmで0.28~0.3μSv/h前後と柏市の除染基準を超えるため、前述の様に11月5日に柏市放射線対策室による現地確認が行われ「柏の会」、しらベルも立会いました。

①西側通路堆積土の測定 柏市放射線対策室による
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③東側歩道植栽の測定 柏市放射線対策室による
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こうしたマイクロスポットの内、1箇所については原因が境界の民有地にあり、市として直接対応できない事がわかりました。上記箇所を除き11月18日に該当箇所の除染作業が完了したむね「柏の会」さん経由でご連絡いただきました。
迅速に対応していただいた柏市放射線対策室の皆様に謝意を表すとともに、改めて除染の難しさを再認識させられました。

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12/28 23:30 | HSF(ホットスポットファインダー)による線量測定 | CM:0 | TB:0
年末年始のしらベル営業予定のお知らせ
いつもしらベルをご利用いただきありがとうございます。
しらベルは12月20日~1月12日の間を年末年始休暇とさせていただきます。
年内の営業は12月19日(金)まで年明けは1月13日より開所となりますがご理解の程お願いいたします。

休業中のお問い合わせにつきましてはメールフォームから受け付けています。


12/16 15:10 | イベント情報 | CM:0 | TB:0
鎌仲ひとみ監督講演会&カマレポ上映会を開催しました
11月22日、鎌仲ひとみ監督をお迎えし、新作「小さき声のカノン」に先駆けて作成された最新レポート「カマレポ」の上映とトークを開催しました。
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カマレポのDVDは3枚あって、全てを見るのは時間的にも厳しく、こちらで事前に以下の4本の作品を選ばせていただきました。
・「26年後のベラルーシ」・・医療支援に携わってきた州立診療所医師が語る放射能による影響。
・「『県民健康管理調査の闇』著者インタビュー」・・毎日新聞日野記者へのインタビュー
・「「小さき花」が広がるように!」・・農家の暮らしを一変させられ、「小さき花市民測定室」を開いた石森さんの話。
・「市民の思いと力」・・新潟で保養と甲状腺検診を組み込んだイベントを開催している市民の思い。

1本づつ鑑賞した後、監督から更に詳しいお話を伺い、質問や意見なども交えながらの約2時間半は充実していて、あっという間でした。
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参加した皆さまから、アンケート用紙に多数ご意見や感想をいただきました。一部ですがご紹介します。
・DVDも講演も表には出ない情報を聞けて非常に勉強になった。
・普段話題にできないことを同じように考えている人がいると確認できる貴重な場でもあった。
・わかりやすく説明していただいた。 福島の被害は勿論ですが、千葉も相当汚染されている事実があります。子供を守る、未来を守る、活動を千葉でももっと声を大にしていかねばと思う。
・鎌仲監督の生の声がすごく響いた。子どもがいるのにずっとのんびりしていた自分に反省した。
・どう活動すべきか、明らかな人権無視不正がまかり通る日本を正せないのはなぜか、対抗策を考えたい。

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「小さき声のカノン-選択する人々-」は2015年早春上映予定で、前売り券も現在発売中です。
12/13 10:11 | イベント情報 | CM:0 | TB:0
福島訪問記(2)楢葉町宝鏡寺の早川篤雄住職からお話をうかがいました
楢葉町にある宝鏡寺の住職で、原発問題福島県連絡会代表でもある早川篤雄さんは、いわき市のアパートで避難生活をしていらっしゃいます。
早川篤雄住職
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お話をうかがうため、宝鏡寺を訪問しましたが、日当たりの良い広い田んぼのあちこちには、沢山の汚染土壌が入ったフレコンバックが積み上げられていたのが無残でした。

本堂除染の為の足場
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住職にお寺の中を案内していただきました

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境内は紅葉の真っ盛り
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避難指示解除準備区域のため、日中のみ片付けなどで通っているとのことです。ちょうど境内は除染中とのことで、表土を剥いでありました。
住職が丹精した植木や草花を鑑賞しながらお話をうかがいました
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楢葉町住民の意向調査では50%が戻らない、戻ると答えたのは8%。この内20代から30代の若い世代で戻るのは2%のみ。楢葉はもう元の通りにはならない。過去を失い、未来は消滅したと話されました。
来春に帰還するかどうか、町長が判断するそうですが、住民は真っ二つに分かれているとのこと。「喧嘩するな、帰る人は頑張れ、帰らない人はそうだなということでやるつもりだ。」ともおっしゃっていました。
 
往路の天神岬公園にて(遠景はJヴィレッジと広野火力)
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12/10 20:47 | 新着情報 | CM:0 | TB:0
福島訪問記(1)いわき市民放射能測定室たらちねのβ線ラボを見学しました
11月30日、12月1日の2日間しらベルスタッフの研修をかねて福島県いわき市の市民放射能測定室たらちねと楢葉町宝鏡寺を訪問してお話を伺いました。(訪問記についてはしらベルニュースレター来春号の特集で詳しくお知らせする予定です。

1)いわき市民放射能測定室たらちね

しらベルでは先日たらちね事務局長の鈴木薫さんをお招きして勉強会を開催しましたが、その時のご縁もありたらちねを訪問し立ち上がったばかりのβ線ラボを見学させていただきました。

最初に鈴木薫さんよりこれまでのたらちねの活動、β線ラボ開設の経緯についてレクチャーを受けました。
写真中央 鈴木薫さん 右側は福島訪問に同行していただいた桂川先生(東邦大名誉教授 核分光学)
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β線ラボ全景 右から乾燥炉、灰化のための電気炉と巨大なドラフトチャンバー
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β核種はγ核種の様な固有の線スペクトルを持たないため測定にあたって、あらかじめ試料から化学的、物理的な方法で分離、精製しておく必要があります。下写真は硝酸など薬液処理のためのドラフトチャンバーですが、奥に排気処理装置とダクト、廃液処理のためのドレンが見えます。
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建物外側から見た排気筒
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試料のマイクロウエーブ加熱(加圧)分解装置(パーキンエルマー製)手前に見えるのは塩ビ製の手作りのバイアル保持器だそうです。
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準備段階では部屋の改造、分電盤増設、装置の搬入据え付けの他に、労基署や上記装置の出力が大きいため電波管理局の立入りもあったそうです。

下はシステムの中核であるフィンランド製液体シンチレーションカウンター、意外にコンパクトでした。
γ線測定の場合はシンチレーション結晶と容器に入れた試料を密着させますが、この装置では液体シンチレーターを試料と混ぜ光電子増倍管で直接発光を計測します。(「シンチレーションカウントによる全βからY90(イットリウム90)によるチェレンコフ光のカウントを重み付けして減算しSr90(ストロンチウム90)を定量する」という方法のようです)
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システムの「値づけ」のためのIAEA標準試料(チェルノブイリ事故で汚染されたクローバーなど)、右側は遠心分離器
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桂川先生からも「分析化学的スキルが必要」とのお話がありましたが、素人では一度の説明ではとても理解できませんでした。4月の本格稼働に向かって検証を積み重ねていくとの鈴木さんのお話でしたが、たらちねの皆さんの勇気と実行力には心から敬意を評したいと思います。

12/08 17:37 | 新着情報 | CM:0 | TB:0
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